QueSeraSeraCA’s こんな私の生きる道 〜 Stay hungry, Stay foolish 〜

思えば遠くへ来たもんだ、目的も計画も不明瞭なままに...

あの日の出来事 〜LAXイミグレでの悪夢

もったいぶった感満載の割に、期待される程の出来事ではないかもしれません。そしてその割に、無駄に長いかもしれません。あしからずご了承くださいませ。

そう、あれは私の嫌いなロサンゼルスの空港で起こりました。
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いよいよ結婚に向けて具体的に動き出そうという一昨年の秋、私は今後の具体的な話をするために、1ヶ月半程の滞在予定で彼に会いにアメリカに来ました。この時点ではフィアンセビザにするか配偶者ビザにするかは決めかねていましたが、私の帰国の際に彼が一緒に日本に行き、改めて家族に直接話をした上で今後のビザ申請手続きをスタートさせるということだけは決めていました。

日本に帰国して以降、2度目の渡米。1度目はあれこれ聞かれるのではと若干緊張しましたが、LAXからの入国でなかったことも幸いしてか何も質問されずにあっけなく入国。その経験もあり、しかも今回はビザの手続きや何やらで気持ちは全く入国審査に向かず。
LAXのイミグレで、ESTAでプリントアウトされた紙を持って呑気に列に並んでいた私は、あまり好きくない感じの男性オフィサーに当たりました。写真撮影や指紋採取の設備のない、ESTA入国者向けの簡易カウンターです。今考えれば、適当に嘘をつけば良かったのかもしれませんが、何も悪いことをしていない私は、彼に誘導されるがままに(おそらく彼らにとっての)NGワードを発しまくります。
ざっとこんな感じです↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

オフィサー(以下「お」):何しに来たの?
私(以下「わ」):観光
お:(パスポートに貼られているビザは既に切れていることを確認)観光だけ?
わ:ん〜、それと友達に会いに
お:(雲行きが怪しくなる)友達って男?女?
わ:です
お:ただの友達?それともボーイフレンド?
わ:ボーイフレンド
お:(目線が厳しくなる)日本人?アメリカ人?
わ:アメリカ人
お:滞在期間は?
わ:1ヶ月半
お:(更に鋭い眼光に)1ヶ月半って随分長いよね
わ:そうですか?
お:仕事は?
わ:今はフリーランス、というかIndependent contractorでボラボラボラ・・・・・
お:(したり顔に変わる)帰りのチケットは?
わ:ある。けど紙で持ってないのでタブレット出していいですか?
お:ノータブレット、ノーインターネット。こっち来い!(完全に犯罪者を見る目に)
わ:(がっちょーん!ってか、今時紙持ってんの、みんな?)

後で思えば、いくら気持ちがここになかったとは言え、帰りのチケットぐらいはせめてプリントアウトして持っているべきでした。あの場であれを出せれば、あのムカつくオフィサーの鼻をへし折れたのかもしれません。(でも、飛行機のチェックインも携帯で済む時代に、紙を求めるのはやめてくれ!とも私は言いたい。)

何はともあれ、私を「不法滞在を企む怪しいアジア人女性」と疑ってやまない彼は、通常のイミグレカウンターに行き、私の履歴をシステムでチェックしているようでした。そのカウンターにいた女性オフィサーと二人で私を見ながら何やら話をしては画面を眺めるのを、今度は私の後ろに並んでいた人達からの「あの人どうしたのかしら?入国できないのかしら?」という好奇と疑惑の視線を背中にひしひしと感じながら待ちました。

結局疑いが晴れることはなく、第二インスペクションルーム行きとなった私は、そこで待つこと2時間以上。待っている間に、中国人らしき女性が一人、別のドアの向こうへと連れられて行きました。ふむ、あちらは何ぞや?と思って見ていると、通訳をしていたらしい係員が彼女の物らしいスーツケースを持って現れ、同じドアの向こうへと消えて行きました。あれは、強制送還というものなのか?もしかしたら私も強制送還されちゃうのか?こうなると、もう思考が負のスパイラルから抜け出せません。

やっと自分の名前が呼ばれた時には「ちゃんと説明する機会をありがとうございますぅ」と涙目状態でした。
幸い、今度のインタビュアーはバイアスなしに何から何まで質問し、私の答えをメモを取りながらじっくり聞いてくれました。おそらく一連の質問への回答に矛盾点がないこともしっかり確認したのでしょうが、ほぼ質問も出尽くしたかと思われた頃に、私がこのまま不法滞在なんかしないわよという念押しの意味も込めて「We are mature enough to have a long distance relationship and wait for the VISA approval.(正しい英語じゃなくても見逃して下さいね)」と言ったら、「I like the answer.」と言って笑ってくれました。

彼の個人情報も彼との出会いから現在に至るまでのお付き合い状況も洗いざらいがシステムにインプットされ、やっとオッケーが出てパスポートにスタンプをもらい、バゲージクレームの脇にポツンと取り残されたスーツケース達を連れて外に出た時には、着陸から3時間をゆうに経過していました。もちろん、ロマンチックな彼との再会とは程遠い物だったのは言うまでもありません。

そして、思ったのです。

それが意図的であろうとなかろうと、ESTAで入国して結婚するもしくは不法滞在する日本人もしくはアジア人が増えれば増えるだけ、私のような人があらぬ疑いをかけられる可能性が高まるんじゃないかと。だって、彼らは統計的な傾向から疑わしきを排除するのが仕事なのでしょうから。それはそれで、むかつくけど仕方ないと思います。
ただ、相手が別の国に住む人というだけの違いなのに、国境の壁を越えて愛を育む人達の純粋に会いたいと思う気持ちの妨げになるようなことをしちゃいけないよな、と。

人それぞれに事情があると思います。もちろん本当に旅行でアメリカを訪れ、運命の出会いを果たし、電撃結婚する方もいるでしょう。それは、そういうことであって、真実はひとつです。もしグリーンカードの面接で面接官に疑いのまなざしを向けられたとしても、胸を張ってその目を見つめ返すことができるでしょう。
でも、あなたが結婚するつもりで親や友達と別れ日本を離れて来たと仮定して、胸を張ってイミグレのオフィサーの前に立ち、彼らの目を見つめられると思いますか?

私にはできません。優等生なわけではありません。不器用かもしれません。でも、これが私の生きる道だからです。
私個人の言動で何かを変えられるほど立派なんかじゃなくても、少なくとも負の方向への一助になるようなことはしないのです。

今でも思い出すといやーな気持ちになる思い出ですが、実は良い点もありました。
それは、その後のアメリカ大使館でのビザ面接も、K-1ビザでのアメリカ入国審査も、この時の経験に比べたらむっちゃくちゃ楽チンだったのです。おそらくグリーンカードの面接もあれに比べたら楽チンなのだろうとか楽観していたりもする私です。

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